imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

一切れのパン または心の安全基地 2023年8月

一切れのパンは、光村図書の中学校「国語一年」教科書に、1972年から1980年まで掲載されていたお話である。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2…

考えると不自由になる 思考と実践の憂鬱な循環 2023年8月

考えれば、自由になる、という話はよく聞く。考えることによって、世の中の因習、つまり時代遅れの習俗から解放されて、自由になる、という意味だと思う。確かに考えることによって、自分が持っていた常識、実は偏見、を打ち破っていけるだろう。より自由に…

レビュー アメリカンビューティー 2023年8月

今更この有名な映画のレビューでもなかろうと思うが、思うところがあったので書いてみたい。 この映画は少なくとも日本ではいろいろな人が批評しているので、私が今ここで何かを言っても、後出しじゃんけんにしかならないだろうが、それを承知で書いていこう…

エッセイ スズメの子育て 人が自然環境に介入すること 2023年8月

5月のことだったと思う。近所の建物に付属した簡易屋根からひな鳥の鳴き声がしきりに聞こえてきた。一体何処にいるのだろうと、探してようやく見つけたのは、屋根の補強材として使われている、横に渡した鉄パイプの中からだった。こんなところに巣を作ってい…

エッセイ 漢詩 詩と翻訳 2023年8月

特に詳しいという訳ではないが、私は漢詩が好きである。例えば唐詩選の最初の詩、述懐 作者は魏徴で、最期の4行が共感できる。 季布無二諾 候エイ重一言 人生感意気 功名誰復論 読み下し 季布に二諾無く 候エイは一言を重んず 人生を意気に感じ 功名を誰か復…

自転車 罰則強化 2023年8月

私は自転車乗りである。20年ほど前にクロスバイクを買って以降、都内の移動はほぼすべて自転車だ。極例外を除いて歩道は一切走らない。 20年前は車道を走っていると、車に幅寄せされて、しばしば嫌がらせを受けた。自転車の走行は車道が原則である、と言うこ…

百人一首 もろともに あはれと思へ 山桜 2023年8月

もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし 行尊 大意は、 修験道でひとり厳しい修業をしているとき、ふと見上げると桜が咲いている。私がそう思っているように、お前も私のことをいとしいと思ってくれ、山桜よ。お前の他には私の気持ちを知る…

百人一首 おほけなく 浮世の民に おほうかな 2023年8月

夕方、ビルに上って西を見れば、すっかり雪の解けた富士山の横に、満月であった。 非常に美しい景色である。この美しい景色のように、この社会も美しくなればいい、と思った。 おほけなく 浮世の民に おほうかな 我が立つ治世に 平安の波紋 百人一首を借用し…

エッセイ 何か食べたいのに、食べたいものが思いつかない 2023年8月

何かが食べたいのだけど、それが何かが分からない、と言うことが私にはよくある。好物をいろいろ思い浮かべるのだけれど、どれも違う。食べたくない。 結局いつも分からずじまいである。 昨日もそんな気分になってあれこれ考えながら自転車に乗って帰宅した…

エッセイ サンドイッチの話 2023年8月

何となくおしゃれな名前が付いているが、要は 簡便さを求めた食べ方である。 例えばBLTサンドイッチというのがあるが、ベーコン、レタス、トマトを均等に口に入れる為にフォークやらナイフを使うのが面倒なので、何かに挟んで一緒に食べてしまおう、という発…

エッセイ エッセイについて思うこと 2023年8月

当たり前だけれど、これは私のエッセイ観である。 エッセイとは、著者のアハ体験である。あれっ、という気付きを書いている。自分にとって目新しいものだから、人に伝えたいのである。 もともと人には固有のものの見方がある。独特の見方で世界を見ている。 …

エッセイ トルコのパンは美味しいのか 2023年8月

私はパンが好きである。休日の朝食は必ずパンを食べる。軽くトーストしてバターをつけて食べるのが好きだ。 トルコ料理は、中国、フランスと並んで世界3大料理と言うことになっている。私は永らく、この言葉は日本だけの話だと思っていたが、今回調べてみる…

エッセイ ベトナムのパンは美味しいのか 2023年8月

バインミー ホアヒンにて 私はパンが好きである。日常的にパンを焼いている。私の好みは、フランスパンみたいな味付けされてないパンだ。油脂やドライフルーツを練りこんだパンはたまにしか食べない。 ベトナムは美食の国である、という。その理由は、中国と…

レビュー 映画「グリーンブック」2023年7月

会社の上司に薦められてアマゾンプライムで観た。2018年製作のハリウッド映画である。 正直に言うが、ハリウッド映画は大外れが無い、きちんと感動させてくれる、という意味で案心して観ていられる。 グリーンブックとはかつて黒人が自動車で遠くへ外出する…

レビュー 小説「タイタンの妖女」 ネタバレ有り 2023年7月

オタキングこと岡田斗司夫氏がユーチューブの自身のチャンネルで一押しのSF小説である。 以前同氏が薦めていた「夏への扉」がまあまあ面白かったので、読んでみる気になった。面白くなければすぐに止めるつもりでいた。 読み始めてみると、その展開の奇妙奇…

続 ビビドに生きるということ 2023年7月

「ビビドに生きるということ 」 https://imakokoparadise.blog.jp/archives/21966263.html の続きです。 ではどうすればビビドな日々を送れるのか。 もしお金を気にすることが無ければ、あての無い旅に出ればビビドな日々が送れるのか。 旅もそれぞれの場面…

ビビドに生きるということ 2023年7月

先日中国ロウ・イエ監督の「Spring Fever」を観た。映画の前半で、音楽のかかった広場で市民が踊る場面があった。そのゆったりとした音楽を聴いた途端、強制的に過去に連れ戻された。1988年に中国を旅行した過去にである。 あの当時のビビドな感覚がよみがえ…

短いレビュー ロウイエ監督作品 2023年7月

ロウイエは1965年生まれの中国の映画監督である。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A9%81%E7%87%81 2000ゼロ年代後半だったと思うが、ユーチューブがまだ長尺物の動画を上げれなかった頃、同監督の「Summer Palace 天安門、恋人たち」2006年公開という映…

和歌 1首 2023年7月

梅雨半ばにして猛暑がやって来た。綿の下着を着て出かけていたので、汗で濡れてすっかり冷えてしまった。帰る頃にはお腹が痛くなっていた。 腹下す 汗かき冷えて 酷暑来る 思い出すのは あの幼き頃

エッセイ アラブの王様問題 欲望を如何に自制するか 2023年7月

原油が発見されるまで、バグダッドなどを除けば、基本アラブは貧しい地域だった。故にその王国の王様たちも大金持ちとは言えなかった。ところが原油が発見されて以降、例えばサウジアラビアでは1938年に発見、オマーンでは1964年、UAEでは1960年半ば以降生産…

エッセイ ホテルカリフォルニア問題 快適に安住して、そこにしがみ付き、無為に生きてしまうこと 2023年7月

先日、清掃の仕事の間、ホテルカリフォルニアのイントロの部分がずっと頭の中で鳴っていた。 この曲は1967年にイーグルスが発表した曲で、歌詞と伴にイントロも有名である。 歌詞は隠喩に富んでいて興味深い。 歌詞の訳は https://www.worldfolksong.com/pop…

自由意志はあるのか 2023年7月

既知であったものの中からひとつを選ぶという選択は、最適化によって決まる。あそこの寿司屋か、こちらのカレー屋か、向こうの蕎麦屋か、の選択は表面的にはあれこれ考えた結果、(実際は最適化された答えは一つという意味で事前に)決まる。最も快の大きい…

仏教と正しさ・価値 仏教は正しさの後押しをしてくれない 2023年7月

私は仏教徒である、と自覚している。仏教の教え、すべては自分の認識に過ぎない、という世界観も気に入っている。 仏教は個人救済の宗教だと思う。悟りによって得られるのは、個人の心の平安である。釈迦は悟りを得たのちに、衆上にその教えを説こうと思い、…

和歌 1首 2023年7月

梅雨の合間を縫って、近所のスーパーに自転車で買い物に行った。畑の横の道を通ったとき、突然視界が開けて、深い青色の空に白雲がひとつ浮かんでいるのが見えた。雲底は暗かったが、雲頭は白く輝き、形を留めることなく変化していた。 あまりの美しさに写真…

エッセイ 業務スーパーのコーヒー豆 2023年7月

外で飲むコーヒーに美味しいコーヒーはまずない。第1の理由は、抽出するときに、自分の好みの味に近づけられないからだろう。 と言っても今まで何度か美味しいコーヒーを飲んだことがある。 10年程前に京王線上北沢駅前の「あくび」で飲んだ、マンデリン。人…

エッセイ ヤマトヌマエビ 2023年7月

訂正 以下ミナミヌマエビをヤマトヌマエビとして読んでください。 私はミジンコが好きである。河に行った時はしばしばペットボトルに水を汲んで生き物たちのその後の移り変わりを観察する。 2年前の2021年6月ごろに多摩川の水を汲んできた。一週間ほど経った…

レビュー みるっこ コーヒーミル 追記 アースの取り方 2023年7月

粒度調整リングのネジに取り付ける 先日みるっこのレビューを書いた。 https://imakokoparadise.blog.jp/archives/21348800.html 書き忘れたことがあるので、その追記です。 みるっこのグラインドにかかる時間はカリタナイスカットミルよりずっと速い。それ…

映画 レビュー 「大理石の男」アンジェイワイダ 1977年公開 ブログ

1970年代のポーランドの前提を現代の日本人が共有することは難しい。社会主義国家で、ソ連の衛星国、つまり属国で、平等ではあったけれど、自由が無い。表現の自由が無く、つまり報道の自由が無く、そして実質的に政府批判の自由もなかった。それを犯せば、…

末尾に訂正 エッセイ 日本にはショウガの種類が足りない ブログ

簡潔に書こう。日本にはショウガの種類が足りない。伝統食で、煮物や汁物にショウガを入れる料理を私は知らない。つまり日本で使われているショウガは伝統的に生食を前提としてきた。ショウガはおろして、または漬けて食べるものだった。故に長年をかけてそ…

エッセイ レビュー 沈黙の画布 または 薄暮 篠田節子 ブログ

「薄暮」は2009年7月日本経済新聞社より出版された。のち改題されて「沈黙の画布」2012年8月新潮文庫に収められる。 ミステリー小説である。 農村で絵を描き続けた無名の画家が、死後、幾つかの偶然を経て知名度を上げていくお話だ。そこに画家の妻の承認欲…