imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

書評「行人」夏目漱石1914年 2025年1月19日

漱石後期3部作の一つで、主人公である次郎、の兄一郎の苦悩のお話である。 あらすじは省略する。 ・漱石の主題 物語後半の主題は明らかだと思う。 両親が属する江戸時代からの価値観が当たり前だった時代に、西洋からの新しい考え方、科学が流入してきた。知…

雑感 書評「ナイロビの蜂」ジョン・ル・カレ2001年 2025年1月17日

スパイものを得意とするイギリスの小説家で、晩年の作品に当たる。1930年生まれ、2020年没。 1963年から1977年の間にスマイリー3部作と呼ばれる有名なスパイ小説を書いた。 国家の為の冷徹なスパイの役割と、倫理や感情を持つ生活者との葛藤を描いてきた著者…

雑感 映画評「サンクチュアリ 聖域』2023年ネットフリックス公開 2025年1月15日

聖域とは土俵のことである。相撲部屋に入門した型破りな新人の猿桜が成長していくお話である。 強さも弱さも含めた猿桜の本気が周囲の人々に感染していく。お互いぞんざいな言葉を使っていても、繋がった感が生まれていく。 型破りな主人公のテーマは多くの…

エッセイ 雑感 他国への武力行使が容易になった 2025年1月11日

アメリカとロシア(かつてのソ連)は超大国として20世紀半ば以降、他国への武力行使が公然と認められていた。アメリカのパナマ、アフガニスタン、イラク然り、ソ連のアフガニスタン、そしてロシアになってからの、かつてのソ連邦内のジョージア、ウクライナ…

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(ライ麦畑でつかまえて)サリンジャー 1951年 村上春樹訳 雑感 2025年1月7日

書かれた時期は1940年代半ばである。が、戦争の話は出てこない。 主人公ホールデンは、世の中の全ての常識に反抗したくなる16歳である。全ての権威に盾つき、通らなければ自分が傷つかない言い訳を見つけて避けて通る。自分が非力なことを重々承知だが、批判…

書評「こころ」夏目漱石1914年 2025年1月7日

非常に有名な作品で、漱石後期3部作の一つである。 あらすじは省略する。主な登場人物は、学生である私と、私が湘南で出会った先生、その親友であるK、先生の下宿先の主である未亡人と、同居するその娘(のちの先生の妻)の5人だ。 前半は私がストーリーテラ…

「15時17分 パリ行き」クリントイーストウッド監督 2018年公開 2025年1月5日

しばらく家でゆっくりできそうなので、ネットフリックスを契約した。 幼馴染みの3人が成長して、それぞれに米軍に入隊し、軍の休暇を利用してのヨーロッパ旅行中のアムステルダム発パリ行きの特急列車に乗車した時、無差別殺人を決行しようとした一人の男を…

エッセイ ジョン・ル・カレのスパイ小説 2024年12月31日

佐藤優氏がジョン・ル・カレのスマイリー3部作を推していたので、読んでみた。 「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」1974年と、3部作ではないが「寒い国から帰ってきたスパイ」1963年 著者はMI5 (国内対象の諜報活動部門)とMI6 (国外対象の諜報…

エッセイ 沈没 外国でひきこもる 2024年12月30日

イギリス人の書いた1970年代の小説を読んでいたら、マレーシアやラオスの話が出てきた。主人公たちはアジアを見下しているなぁ、と感じた。 私が初めて東南アジアを旅行したのは、1980年代後半である。開発独裁と呼べるような国があり、物価も安く、私も彼ら…

自分も得をするから まあいいか 覇権国と周辺国 2024年12月13日

覇権国とは同盟国に対して経済や文化といったソフトパワーで支配する国のことである。アメリカは間違いなく覇権国であろう。そして同盟国の外に対しては武力で現状を変更するという帝国としての性格も持ち合わせている。 アメリカは民主主義国家である。しか…

活用語尾と送り仮名 2024年12月11日

送り仮名について考えてみた。 ブログを書いていて思うのだけれど、送り仮名の規則が統一されてなくて困惑することがある。 Google のジェミニに送り仮名のことを聞いてみると 「 活用語尾に送り仮名をつける」と答えるが、実態は、多くの例外がある。 「答…

因果関係と責任 2024年12月11日

テーブルに置いたコップを倒して、私が横に置いた、図書館で借りた本を汚した。因果関係が明瞭なので誰に責任があるかが明白である。 テーブルに置いたコップを倒して、いつのまにか誰かが置いた、図書館から私が借りた本を汚した。テーブルに本を置いた人は…

システムと生活世界 2024年12月7日

ユルゲン・ハーバーマスはコミュニケーション行為理論の中で人の行為の目的を二つに分けた。 1 目的合理性 手段と結果の合理性を求めること。つまり 効率性を高めることだ。 2 コミュニケーション合理性 コミュニケーションを情報伝達の手段とするだけでなく…

自転車旅行 特徴や注意点など 2024年11月24日

約2ヶ月の自転車旅行をして気づいたことを書いてみたい。 1週間などの期限の決まった旅行には当てはまらない。 特徴 ・運べる荷物は20キロからせいぜい25キロまでなので持ち物はかなり絞る必要がある。 ・雨の日は走行しない。路面の状態が確認しづらく、ブレ…

思い付き 幼い頃の無垢さは生きることへの絶望さと情熱の根源である 2024年11月13日

幼い頃の思い出の感情の中核になっているのは無垢さだと思う。 「仮説 なぜ子供の頃の思い出は無垢さに彩られているのか」 https://note.com/hiroto1962/n/neb5376f32917 「再説 子供の幼い時の写真を見ると、なぜ胸が痛くなるのか」 https://note.com/hirot…

再説 子供の幼い時の写真を見ると、なぜ胸が痛くなるのか ブログ 2024年11月13日

自分の息子や娘の幼い頃の写真を見て胸が痛くなった経験は、多くの人が持っていると思う。 私は長らくその原因が、ちゃんと子育てが出来なかった、という後悔から来ているものだと思っていた。 きちんと子育てできた人はこのような後悔を持つことがないのだ…

エッセイ 東北自転車旅行 2024年11月12日

9月4日から11月7日まで自転車で東北地方を旅行してきた。経路は東京から利根川水系に出て、鬼怒川を北上、分水嶺を超えて阿武隈川上流の白河に出て、そのまま阿武隈川を下って仙台に出る。そこから北上川を北上し、分水嶺を越えて八戸に出た。その後下北半島…

続、縄文土器の装飾文様 2024年10月4日

では植物繊維の文様はどこから来たのか。それはもちろん日常に目にする自然の中からだろう。 縄文人にとって大切な物、価値のある物とは、太陽。食料であるクリ、オニグルミ、トチ、それを育てる山や林。サケなどの魚とそれを育む川。 これら価値のある物の…

縄文人と人生の意味 2024年10月4日

先日、御所野縄文博物館に行ったときに、復元された竪穴式住居を見た。儀式用ではなく、家族が利用した住居は、狭くて、暗くて、湿気ていた。 こんなところに住み続けて人生を終えた人達が何十世代もいたのか、と思った。 失礼ながら、この人たちの人生に何…

縄文土器の装飾文様 2024年10月3日

先日御所野縄文博物館で蒔前遺跡を含む縄文時代中期の土器を見てきた。土器の口や 首、胴の周囲に飾り付けがしてあった。 これらの飾りを見ていて思ったのだが、縄文人が土器を作るに際して、思いつきで作ったのではなく、もともとあった文様を土器で再表現…

無駄なこと 温泉を2往復 2024年10月3日

今日六戸温泉にお湯を浴びに行った。浴場に行ってから 石鹸とシャンプーがないことに気づいた。 番台に断って、キャンプサイトまで5分の距離を自転車で往復した。 テントに戻ってから、必要なものと 不必要なものを 選り分けて カバンを軽くして温泉に行った…

出来事と意味づけ 2024年9月28日

個人にとっての出来事とは自分の経験を通して認識する出来事のことである。 人は 何かを経験したり出来事を伝え聞いた時そこに意味を見いだそうとする。 例えば誰かと出会ったことや、大切なものを壊したことや、雨が降って行きたいところに行けなかった時や…

エッセイ 西行千本桜 2024年9月26日

私は知らなかったが、東大寺勧請のために西行が平泉を訪れた時こんな歌を詠んでいる 聞きもせず 束稲山のさくら花 吉野のほかに かかるべしとは 平泉の山腹に千本桜が花咲いてるのを見て詠んだ歌である。この地に桜が密生することは考えにくいので風流な領主…

お知らせ 東北サイクリング旅行 2024年9月26日

時間とバッテリー充電する余裕がなくてなかなかブログが書けません。 写真日記 を x に書いているので、気が向いたら見てください。 https://x.com/hiroto1962

キャンプをする権利 2024年9月22日

仙台のキャンプ場で知り合ったスウェーデン人がこんなことを言っていた。 スウェーデンでは、迷惑にならない限りどこでもキャンプができる。そこが人の土地であっても問題がない。その権利は法律で守られている。 だけど日本は違うので、キャンプをするとき…

エッセイ 旅行中に美味しいコーヒーを飲むために 2024年9月14日

毎日自分でコーヒーを淹れているコーヒーの好きな人が旅行中も美味しいコーヒーを飲むためには何が一番大切か。 コーヒー豆はいつも使っている自前の豆を持ってきていることを前提とする。 さてコーヒーを淹れる時のパラメーターは 3つある。 豆の量とお湯の…

便利になった旅行と不安の関係 2024年9月14日

高校生の夏休みに、能登半島を大阪から1週間かけて友達と2人で自転車で一周したことがある。持っていたのは5万分の1の道路地図帳で、天気はラジオの定時天気予報を頼りにした。宿泊場所は、Googleマップで確認することもできなかったので、夕暮れ時に適当な…

認知症にならないための苦行としての散歩 2024年9月14日

サイクリング旅行で公営のキャンプ場を泊まり歩いている。キャンプ場は大きな公園の中にあることが多い。朝日や夕日を見るために公園のベンチでぼんやりしていると、散歩する多くの市民を見かける。 その中のかなりの割合の人たちが黙々と歩いていて、まるで…

思いつき 意識の起源 2024年9月13日

考える余裕がないが思いついたので、とりあえず書いておこうと思う。 人は意識している全てのものに意味付けをするが、その理由は世界を納得したいからだと思う。なぜ世界を納得したいかと言うと、安心したいからだろう。つまり不安を減少させたいのである。…

エッセイ テントを持って旅行すること2024年9月12日

いホテルに泊まると部屋が狭く、あまり居心地が良くない。もちろん、自然を感じる雰囲気ではない。ゲストハウスは旅行者との交流が楽しみだが、やはり自然との親和性は高くない。それに比べると、テント泊はそもそも街中から離れているし、部屋の中でじっと…