imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

自転車 罰則強化 2023年8月

私は自転車乗りである。20年ほど前にクロスバイクを買って以降、都内の移動はほぼすべて自転車だ。極例外を除いて歩道は一切走らない。

 

20年前は車道を走っていると、車に幅寄せされて、しばしば嫌がらせを受けた。自転車の走行は車道が原則である、と言うことをドライバーが知らなかった、または知っていたが車道を走られると都合が悪いので、知らないふりをしていた。

 

ここ10年でそういうことも殆ど無くなった。運転免許更新時の講習が効いているのだと思う。講習では必ずこの話が出る。

 

車道での自転車走行の権利が確立してきたのである。今ではママチャリに乗ったおばさんがゆっくりと車道を走っている。良いことである。もっと多くの自転車が車道を走るようになれば、路肩の幅が広がって自転車が走りやすくなるだろう。ドライバーの意識ももっと変わるはずだ。

 

自転車の権利が守られるようになったからか、自転車の危険運転が目立つようになってきた。歩行者がいるのに歩道を徐行しないで走行する、横断歩道を渡る歩行者をすり抜けて走行する。

このような行為を見かけると、自転車乗りとしては心穏やかでいられない。

 

で、自転車に対する罰則強化の話が出てきた。2022年6月から罰金の赤切符を積極的に切れるように強化されていたが、今回は反則金青切符も切れるようになりそうである。

 

取り締まりの対象になりやすいのは、違反が明白な信号無視だろう。明らかに安全な時にも信号無視できないのは不便である。

 

これは、少数のフリーライダーが、つまりマナー無視の利己的自転車乗りが、すべての自転車乗りに不利益を与えたということだ。

 

10年前ロンドンを旅行したとき、信号が赤でも、歩行者は気にせず渡っていた。そこに警察官がいても変わらなかった。警察官も赤信号で渡っていた。

つまり、違反してもいいけれど、そのことで何か不利益を被れば、自己責任ですよ、と言うことだと思う。成熟した国だ。

さすがに車の信号無視はなかったが。

 

ここからが本論である。

 

車道を走行している自転車が車道用の信号を無視すれば、取り締まりの対象になるが、歩道を走行している自転車が、車道用の信号は赤だが、歩行者用信号の無い交差点を渡れば違反にはならない。

となると、取り締まりの強化は、車道を走る自転車を、歩道に走らせようとする方向に力が働く。せっかく歩道を走る自転車が減って、歩行者が安心して歩けるようになってきているのに、逆行である。

 

で、私の意見は、取り締まりを強化するのであれば、まず自転車の歩道走行を禁止するのが良いと思う。

 

また10年前のロンドンの話だけれど、自転車の歩道走行は禁止であった。原則禁止ではない。それは具体的にどんな風景かと言うと、歩行者は全く安心して歩道を歩ける、と言うことだ。雨が降れば、すべての自転車乗りは雨具を着て走るということだ。傘をさして自転車に乗るというふざけたことは出来ない。前かごや後ろかごをつけて子供を乗せるということも出来ない。というかまず見たことが無い。危なくてそんな気持ちにならないのだろう。だからそんな商品も売ってないのだろう。ママチャリが存在しないので、取り付けるのも難しいだろう。

サイクリング車に前かごをつけて小さい子供を乗せているのを一度だけ見たことがあるが、その人は歩道を歩いていた。交通量が多い場所だったので、怖かったのだろう。

ロンドンでは自転車の権利がかなり確立していて、車が自転車に道を譲る場面をしばしば見かけた。日本では鉄道に自転車を乗せるときには分解して輪行バッグに入れなければならないが、ロンドンでは地下鉄にそのまま乗り入れていた。

 

諸々こういうのを見ていると、日本人とイギリス人では権利に対する意識が根っこのところで違うと思わざるを得ない。

 

以上、まず自転車の歩道走行を禁止したうえで、取り締まり強化の話が始められると思う。基本的なことは後回しにして、とりあえず目立っているので、もっけの幸いと取り締まるのは、国民に間違った信号を送ることになる。

 

追記

 

私見では、子供の送り迎えや買い物に、自転車を使えないのは不便だろうと思う。子供を乗せた自転車は危険運転はしないだろうから、例外として認めてもいいと思う。

 

しかし今までの傾向でいけば、そのうち利己的な自転車乗りの親が危険運転をして、鬱屈した歩行者の不満を誘い、自転車自らの権利を取り崩して、すべての自転車の歩道走行禁止になっていくのだろうが。

ここにいるのは、利己的な国民と不寛容な国民だけである。