imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

2024-01-01から1年間の記事一覧

エッセイ 「花散らで 月は曇らぬ 世なりせば 物を思はぬ わが身ならまし」西行 和歌 2024年3月23日

図書館の新着本のコーナーに島薗進著「死生観を問う」という本が並んでいた。宗教学者である氏の本を何冊か読んだことがあった。 この本の中に表題の西行の詩が載せてあった。西行は平安時代末期から鎌倉時代初期に和歌で活躍した僧侶である。 大意は もし桜…

エッセイ 平面ガラス 2024年3月19日

お勉強発表会である。新奇なものは何も無い。 先日 「ピータール」 という映画を見た時に、 皇太子、後のジョージ4世が乗った馬車に窓ガラスがはめ込まれてあった。時は1819年である。 群衆の一人がじゃがいもを投げつけてその窓ガラスを割ったのだ。 こんな…

エッセイ 部屋が片付いている人 2024年3月17日

私の机の上は片付いている。なぜなら、物があれこれ置いてあると、頭の中がごちゃごちゃになって収拾がつかなくなるからだ。もしくは収拾がつかなくなるような気がするからだ。 これをもう少し分析的に言うと、私は2つのことを同時にするのが難しい。自転車…

映画評 レビュー 「狩人」テオ・アンゲロプロス監督1977年公開 2024年3月13日

3時間近くの映画である。簡単なあらすじは https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%A9%E4%BA%BA_(%E6%98%A0%E7%94%BB) 凡そのあらすじは、1977年の新年を祝うために集まった名成り功遂げた6人の名士が大みそかに雪原で狩りをしているとき、1949年に死んだ共産…

エッセイ 中国人の不思議 2024年3月6日

私は2014年から19年まで外国旅行をしていた。その時々に中国人旅行者にあったが、彼らにはひとつの特徴があった。 外国を旅行していると、何となく心細いものである。ひとり旅行ではなおさらだろう。気置きなく自国の言葉で、自国の常識で気軽に話したくなる…

映画評 レビュー 「再現」テオ・アンゲロプロス監督1970年公開 2024年3月1日

監督初の長編映画である。 あらすじ アルバニア国境近くのギリシャの山間の村で、夫がドイツに出稼ぎ中に、妻が村の農場警備員と浮気をする。帰宅した夫と偶然に鉢合わせ、2人で夫を殺し、遺体を埋める。 夫の行方不明が噂になり、警察が予断を持って事件を…

エッセイ メモ魔 2024年2月24日

私はメモ魔である。なぜならすぐ忘れてしまうからだ。 というのが今まで周囲にしてきた説明である。が、実はもう少し奥行きがある。 私は2つのことが同時にできない。するのが難しい。2つのタスクを覚えておく、かつ並列に処理するのが難しいのである。ひと…

思い付き 仮説 英米の繁栄はEUのお陰か 2024年2月23日

思い付いたのだが、仮説にまでなっていない。その根気がない。 英米の自由市場重視主義、リバータリアニズム、小さな政府指向、とEUの共同体重視、コミュニタリアニズム、どちらかと言えば大きな政府指向は、経済、社会における両者の対立軸になっている。 …

エッセイ 牛車と馬車 雑感 2024年2月21日

先日 「ピータールー」という映画を観た。その中でロンドンからマンチェスターにやって来た弁士は馬車に乗っていた。 そういえば 日本では特権階級が乗る馬車というものがないなと思った。 ここでは人を運ぶことを目的とした日本の乗り物について考える。荷…

ユダヤ人の歴史を思う 長大な叙事詩としてのユダヤ民族 2024年2月19日

イスラエルのガラント国防大臣が以下のように言っている。2月16日付のAP通信より イスラエル軍はガザのナサール病院で70人の「過激派容疑者」を逮捕した。そのうち20人は10月7日の攻撃に参加した可能性がある。 また、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA…

エッセイ ホテル検索サイトとその評価 2024年2月16日

外国を旅行しているとき、ある日本人旅行者が、ホテルに高評価を付ける代わりに、ホテル代を安くしてもらいましたよ、と言っていた。 私も何度かホテルから言われたことがあるし、現場を目撃したこともある。ホテルの壁に張り出してあるのを見たこともある。…

災害時のボランティアの自粛について 2024年2月13日

日本のニュースをほとんど見ないので、今、何が話題になっているかほとんど知らないが、昨日ユーチューブにこんな動画が上がっていた。 https://www.youtube.com/live/R7twuSC3ewY?si=0T8daccVrjHAsd6s 中森明夫氏の話である。長尺の動画で私が見たのは10分…

エッセイ 俳句を詠んだ 2024年2月

ひとり、真冬の部屋で、ふと口をついて出た。 言葉が部屋に漂っているような気がした。 肌寒し 部屋に響いた 独り言

仮説 人の欲望が社会の平準化を促した 2024年2月2日

表題を見ると、民衆の欲望が支配者の権益を掘り崩していく、と言うように読めるが、これから書くことはその逆である。 歴史を学んでいると、しばしば見かけるのだけれど、力を持った特権階級が下層民に対して可能な限り収奪しようとする。すると、始めのうち…

エッセイ 死は日常にある 2024年1月25日

社会の秩序が整然としているから、または秩序正しい社会を作ってしまったから、人生も秩序正しいはずだ、との思い込みがある。人生は始まりから終わりまで操作可能である、という幻想を信じている。生まれてから年老いるまで、生き続けることが必然のように…

エッセイ 覚悟が決まるとは。 命の毀損と覚悟の関係 2024年1月24日

死を覚悟の上での行動がある。死ぬ可能性があることを承知の上で決断した行動のことである。例えば厳冬期のチョモランマの登頂を目指すことはそうだろう。厳冬期に登頂を目指す人は必ず身辺整理をしているはずだ。現代の厳冬期にチョモランマを登頂すること…

エッセイ 行間を読む、とは 2024年1月22日

10代のころから、本を読むときは行間を読め、とよく言われた。眼光紙背に徹する、という言葉もある。 しかし私はよく意味が分からなかったのである。意味が分からない、と言うか、どうしていいか分からなかった。 行間を読む、とか紙背に徹する、とかのイメ…

映画評 レビュー「旅芸人の記録」テオ・アンゲロプロス監督1975年公開 2024年1月20日

あらすじは https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%85%E8%8A%B8%E4%BA%BA%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2 簡単に言えば、1939年から1952年までのギリシャの歴史を、ある旅一座の経験を通して描いている。 1930年代から50年代にかけて、ギリシャにこんな歴史があ…

エッセイ 洋包丁とジャガイモの芽 2024年1月19日

日本ではミシンが輸入されるまでは、手縫いで衣服を裁縫していた。運針である。これをもって、日本人は合理的精神が弱かった、と言われることがあるが、だとしたらヨーロッパ以外の、ミシンを生み出ださなかった世界の全てが合理的精神が弱かったことになる…

エッセイ 久しぶりに訪れた場所はなぜ記憶と違っているのか 2024年1月17日

以前にも書いたことがある主題かもしれないが、、、 実家に戻ったときに、子供時代によく遊んだ場所に行ってみると、全く感じが違っていて驚かされることがある。 この現象を説明するのに、子供の頃は小さかったので、周りの物がもっと大きく見えていたのだ…

エッセイ 朝起きた時「今日も仕事に行くのが嫌だな」 2024年1月15日

職場の同僚と喋っているとき、「目が覚めた時、仕事行くの嫌だなぁ、と毎朝思う」とある人が言うと、その場にいた全員が相槌を打った。 私はひどく驚いたのである。それじゃ、毎日が灰色じゃないか、と。同僚は全員が50歳以上だが、この年になって、まだそん…

エッセイ 「これで今日も仕事が終わったな」 2024年1月13日

先日、新しく職場に入ってきた人が、午後2時ごろに「これで今日も仕事が終わりましたね」と笑顔で私に言った。これ以降は急かされる仕事がないので、終わったも同然だ、という意味である。 それで、私がこの仕事を始めた頃を思い出した。午前10時半に最後の…

エッセイ ホタルはゆかたの帯に戻るか または 人口が激減する2060年には、昭和の自然は戻るのか 2024年1月12日

先日ユーチューブで河島英五の動画だったか、を久しぶりに聴いていると、お薦めにさだまさしが上がってきた。懐かしくてクリックすると、「線香花火」が流れた。 https://youtu.be/MMM20fwUBo8?si=wpnfvWHNNh3r1VvL そこにこんな歌詞があった。 「君のゆかた…

映画評 レビュー「ピータールー」マイク・リー監督2019年公開 2024年1月10日

この作品は1819年8月16日にイギリス、マンチェスターのピータールーで起こった事件を忘れないための記念碑的作品である。故に芸術作品を意図していないと思う。 また、存在して当たり前の、空気のように感じている市民の権利がどのような歴史的過程を経て獲…

エッセイ 夢の見方 今日の生活と将来の夢の関係 2024年1月6日

ここでの夢とは、睡眠中に見る夢ではなく、未来の予定としての夢である。 大切なのは、今日と夢とがダイレクトにつながっていることである。今日のこの暮らしが、夢に直接影響するようなイメージである。 私はたくさんの夢を持っているが、そのひとつに西ア…

映画評 レビュー 「トスカの接吻」ダニエル・シュミット監督1984年公開 2024年1月5日

ダニエル・シュミット監督の作品は「ヘカテ」(1982年公開)を観たことがある。 そのブログはこちら https://imakokoparadise.blog.jp/archives/23936015.html 監督はオペラにも造詣が深く、実際にオペラの演出も手掛けている。 私は全くオペラを知らないが…

エッセイ 洗濯用粉石けんの使い方 2024年1月3日

私が子供の頃、水質汚濁は大きな社会問題であった。瀬戸内海で赤潮や青潮が発生し、琵琶湖でも1977年に赤潮が大発生した。河川は消えることのない泡で覆われ、異臭を放っていた。今でもよく覚えているが、阪急電車に乗って、大阪市と豊中市の市境を流れる神…

映画評 レビュー 「街のあかり」(アキ・カウリスマキ監督)をもう一度観た 2024年1月2日

「街のあかり」アキ・カウリスマキ監督2006年公開 を観た感想を以前書いた。 https://imakokoparadise.blog.jp/archives/23149043.html その後アキ・カウリスマキ監督の作品を何本か観たので、一番始めに観た、そして手持ちの中ではもっとも最近の映画である…