imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

エッセイ 雑感 他国への武力行使が容易になった 2025年1月11日

アメリカとロシア(かつてのソ連)は超大国として20世紀半ば以降、他国への武力行使が公然と認められていた。アメリカのパナマアフガニスタンイラク然り、ソ連アフガニスタン、そしてロシアになってからの、かつてのソ連邦内のジョージアウクライナ然り。

 

それ以外の国でも超法規としての諜報戦は非人道的に行われていただろうが、公然と他国に武力行使することは国境紛争を除いてほとんどなかった。

 

今回、ロシアがウクライナに侵攻して武力行使のハードルが少し下がったことを利用して、イスラエルがガザ侵攻だけでなく、レバノンやシリアに空爆・侵攻をしただけでなく、イエメンを空爆をしている。

 

イスラエルにも理由がある。ロケット弾やドローン攻撃をされたから、自衛のために基地を攻撃した。これは目に見える力の行使である。

 

国連での合意に違反して、イスラエルパレスチナに武力を背景にして入植すること自体がアラブの恨みを買う行為だが、目に見えない力の行使、つまり諜報戦でもイスラエルは圧倒的に優位である。ポケベル爆弾によるヒズボラ幹部の壊滅、イランの軍幹部や核開発技術者の暗殺。故に財力と科学技術を背景にした非人道的な諜報戦でもアラブの恨みを買っている。

 

アラブ諸国が核を持たない限り、この圧倒的な差は埋まらない。イスラエルは自国に優位に国際関係、軍事、諜報戦を進め、アラブは恨みを募らせ続けている。イスラエルへのテロはアラブの中で正当化され続ける。そしてテロが起これば、イスラエルはそれを口実にして他国を攻撃する。

 

イスラエルは建国以来、建国の事情によって近隣諸国を武力攻撃してきた。しかし今回のイスラエルがガザでやっていることは民間人の大量虐殺である。ネタニヤフが本当にこれを支持しているかは不明だが、イスラエル国内も御多分に漏れず格差が拡大して、貧困層が右傾化している。彼らを取り込まなければ政権を維持できない。

 

つまり基本の構造は以下である。

1 格差の拡大。

1) グローバル化によって製造業が途上国に移転し、先進国の製造業が空洞化して工場労働者が減少した。そして移転先の途上国では中間層が増大した。つまりそれぞれの側で格差が拡大した。

2) AIの隆盛に見られるようにハイテク産業、知的産業によって、富裕層が増大し、より富裕化して格差が拡大した。

 

2 相対的な貧困を意識した層が、不満を募らせ、鬱憤晴らしとして排外主義化、右傾化している。

 

3 政治家は彼らを取り込んで多数派を形成しようとする。故に政策が右傾化する。

 

4 右傾化した国家が増える。

 

アメリカ、ロシア、イスラエルの他国への公然の武力行使が、他の国も含めて武力行使の敷居を下げている。

 

以上4までは構造的問題なので解消しない。AIを使うのが誰か、ということを考えれば、AIも失業者を増やすことこそすれ、格差解消の役に立たない。

そこに武力行使の敷居が下がってしまったので、より公然とした他国への武力行使が増える可能性が高い。



追記

 

・シリアは大国の思惑によって支援された勢力が衝突して、今後も内戦が続く可能性がある。イスラエルとアラブは不安定化したままだろう。これらの国で武力行使がしやすくなる。

 

・中国、インド、パキスタンは核保有国なので、イスラエルとアラブのような大規模な武力衝突は起こらない。

 

武力行使が起これば起こるほど、負けた側の核兵器の渇望頻度は高くなる。故に核兵器は拡散圧力をかけられ続ける。10年か50年かは別にして、核兵器が拡散していくのは時間の問題である。拡散すればするほど核兵器の使用可能性は上昇する。

長い目で見ると、核兵器の使用は避けられないと思う。

 

・私が世界情勢に興味のある一つの理由は、外国旅行が好きだからである。私には行きたい国々がある。イエメンはとても行きたい国だったが、私が生きているうちには平和にならないだろうと絶望的に諦めている。ほかにもイラクとシリアには行ってみたい。が、ここも無理かもしれない。

世界を不安定化させる勢力に対して、自分の損得から来る強い怒りが私にはあるのだ。