私が10代後半のとき、友達と会うとよく言ったものである。
何かおもろいことないかなぁ、と。挨拶代わりの言葉として、お喋りの間が空いたときの中つなぎとして。
そんなときでも私は結構本気で言っていたのである。どこかに行けば面白いことがあるのではないか、と。面白いやつがいるのではないか、と。
しかし大抵は虚しい言葉として虚ろに響くだけだった。
学生になっても虚しい言葉を虚しく響かせていたが、こんなことをいくら期待していても埒が明かないことに遅まきながら気づいた。
で、答えはこうである。
お前がせえ、アホ
つまりそんなことを誰かに期待するのではなく、自分が面白いことをすればいいだけの話なのだ。一体何を寝ぼけていたのだろう。
それ以降、何か面白いことないかなぁ、と言うことはなくなった。言いそうになると、お前がせえ、アホ、と自分に言い聞かせた。
当たり前だけれど、面白いことは外からやってくることはめったにない。自分のところに来るまでに、別の人が消費してしまうからである。
だけど自分で面白いことを作り出せば、いつだって面白いことがそこにある。