毎日夜明け前に起きているのだけれど、南に面した窓から暗い夜空を見ていると、少しずつ東の空が濃いあかね色に変化していく。そして暗い夜空の中、あかね色のインクを垂らしたように、地平線間際を帯状にあかね色に染める。
世紀の天体ショーという言葉があるが、雲さえなければ、朝焼けは毎日見れる。百年に一度どころではない。
朝焼けのあの色を、あの色のように見える視神経に進化をしたことを心から幸せに思う。あの色を落ち着いた気持ちで見れる日常生活であることを心から幸せに思う。あの色を見てある種の感慨に浸れる能力を獲得ことを心から幸せに思う。
どれだけの偶然が重なれば、あの空をあのように見れるのだろう。
まごうことなき奇跡だと思う。毎日見れる、奇跡の天体ショーだと思う。