imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

ガザ・イスラエル紛争 雑感 2023年10月

10月7日ガザからイスラエルに激しい攻撃があった。今日は14日なので攻撃から8日目である。



◎ 今後、イスラエル、アラブとイスラム社会、西側社会がどのような対応をするか、今のところ不明である。また今回のガザからの攻撃とそれに応答したイスラエルからの反撃がどのようなものであったのか、まだまだ不明なことが多い。

 

にもかかわらず、既に明らかなこともあるので、書いてみたい。

 

攻撃の瞬間だけを見れば、ガザではハマスが一方的に国境を越えて攻撃を始めている。国際法上、弁解の余地なく違法だ。

 

しかし時間軸をもう少しさかのぼれば別の景色が見えてくる。

 

1947年に国連決議でパレスチナ人地区とイスラエル人地区の境界が引かれた。がその境界は今に至るまでパレスチナ側で全く確保されていない。アメリカの後ろ盾があって、常にイスラエルが蚕食し続けている。

 

国連決議

https://www.y-history.net/appendix/wh1601-145.html

 

国連決議以降、4回の中東戦争があり、国連決議よりずっと後退した状態で1993年にオスロ合意がパレスチナ解放機構イスラエルの間で締結され、パレスチナ暫定自治区イスラエルにより承認された。

 

オスロ合意

https://www.y-history.net/appendix/wh1703-036.html

 

しばしば報道されているように、現在に至るまで、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区に恒常的にイスラエルによる入植地が武力によって建設されている。抵抗による射殺も日常的である。

 

飛び地のガザは、イスラエルとエジプトによって出入りを遮断され、青空の監獄と呼ばれている。食糧、医薬品、電力は供給制限されている。

 

つまり時間を巻き戻してパレスチナ側から見れば、不当にやられっぱなしなのである。

パレスチナにはイスラエルを憎む理由が十分にあるだろう。というより、イスラエルとそれを支援する国々がこれだけのことをしておいて、何も起こらないと考えるほうが無理があるし、実際に今までにもいろいろなことが起こってきた。

 

◎ 世界同時テロのあった9.11の時、アメリカでは数千人の民間人の死者を出したが、それに対するアフガニスタンへの報復の時、誤爆はあったが、あのアメリカでさえ、明らかに民間人がいる施設への爆撃はなかった。

それに比べると、イスラエルのガザへの爆撃は、民間人の死者数を見るとそれを全く考慮して無いように見える。

 

アメリカの黒人差別も日本人の想像を超えて酷いようだが、現代の世界で最も正しさが衆目の中で踏みにじられている場所がパレスチナ地域だと思う。これ以上の場所を探すのがちょっと難しい。

 

ハマスに限らず、いろいろな集団が、狂信的とか過激派とかテロリストとかの形容詞をつけて呼ばれ、危険視されるが、順番が逆だと思う。

もともとそういう〝異常〟な人たちがそこに存在するのではなく、普通の人たちが追い詰められて必然的にそのようになっていくのである。

ではなぜ異常になっていくのかといえば、多数派、強者が追い詰めるからである。

つまり私たちが追い詰めて異常心理にさせてしまったのに、その私たちが彼らを危険視するのはマッチポンプなのである。

狂信的などと非難して敵視するのではなく、もし自分がその立場だったらと考えることが大切だと思う。パレスチナ地域に特別の利害を持たない日本人ならそれが出来ると思う。

 

ハマスSNSに流す誤情報(disinformation)が問題になっている。誤情報とは事実でない、という意味だろうが、情報に関して言えば、圧倒的にイスラエル政府視点の情報が多い。ハマスイスラエル政府は対立しているのだから、当然主張が異なる。が、私たちが接するのはほとんどイスラエル政府視点の情報である。これを誤情報とは言わないが、視聴者が公平に判断できる環境からは程遠い。しいて言えば、”誤情報的”だと思う。

もちろんファクトチェックは大切である。しかしいくらファクトであっても、片方だけのファクトだけが並べられているのは良くなかろう、と思う。

 

◎ ガザがイスラエル側だけでなく、エジプト側からも閉鎖されていることからも分かるように、アラブの中でもパレスチナ人の孤立が進んでいる。ここ数年で、幾つかの国(UAE、モロッコバーレーンスーダン)がイスラエルと国交を結び、今サウジアラビアもそこに加わろうとしている。

アラブの一体感が失われつつあるのだと思う。アラブ諸国イスラエルの大きな衝突は1973年の第4次中東戦争が最後だ。幻想の集団(アラブ民族)が一体感を維持するためには戦争が最も効率が良い。それから既に50年経っている。

アラブのそれぞれの国が豊かになり価値が多様化し、利害が差異化する中、再びアラブが一体となって何かに当たることはもうないと思う。別の言い方をすれば、アラブの価値より自国の損得を重視するだろう。

パレスチナがアラブから孤立すれば、ただの弱者である。強国の草刈り場になるだろう。

パレスチナを強く支援しているのは、アラブ共同体ではないイスラム共同体のイランである。

 

◎ 100年後、この地域がどんなことになっているか楽しみである。有史以来、弱者は踏みにじられ、強者はやりたい放題であった。近代になって西洋で人権が発見され、現代ではそれが普遍的価値を持つようになってきた。

100年後、一体パレスチナはどうなっているのだろう。イスラエルパレスチナ人の人権を弾圧して完全に自国化しているのだろうか。それとも相変わらず紛争地として残っているのだろうか。それともパレスチナ自治区イスラエルも承認して平和な関係を創れているだろうか。

人権は結局、強者の都合の良い道具として使われ続けられるだけなのか、それともそれ自体価値を持って歴史を変える力を持つのだろうか。

非常に楽しみである。