imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

エッセイ 「俺たちの旅」価値を共有するということ 2022年9月

パソコンのBIOSの設定を触ったら起動しなくなった。CMOSの電極をショートさせて初期化したら復旧して事なきを得た。その間非常にストレスだった。そういえば、以前もそんなことがあったっけ。

しばらくブログが書けなくなるな、と思っていたが、復旧したので何か書きたくなった。

先日ユーチューブでたまたま「俺たちの旅」を見た。その時に思ったことを書いてみたい。つまりエッセイである。

 

https://youtu.be/ZF0BBskox_s

 

放送は1975年秋から一年続いた。1975年と言えば、ベトナムアメリカに勝って祖国を再統一した年である。

私は中学卒業の春休みの1977年に再放送で見た。大阪育ちなので、どこが舞台なのか当時全く頓着が無かったが、舞台は吉祥寺であった。そういえば「ノルウェイの森」の主人公も吉祥寺に住んでいた。オタキング岡田斗司夫も吉祥寺に住んでいるはずである。

 

中村雅俊秋野大作田中健など出演者たちが若いことに驚いた。幼ささえ残している。当時は全くそんなことを思わなかった。意外にも秋野大作がかわいい顔をしていることにも今回初めて気が付いた。

 

このドラマの主題は、自由、である。学生運動は収束していたが、当時の時代の雰囲気に合致していたと思う。青春という言葉が普通に人口に膾炙していた。この年カーペンターズが「オンリー イエスタデイ」を、アバが「ダンシングクイーン」を発売している。

ジョンレノンとオノヨーコがラブアンドピースを言い始めたのは1969年のようだがまだまだその雰囲気が生きていた。

 

ここからが感想である。この動画で、中村雅俊が、「人生ってもっと楽しいもんなんだよ」と、伝統的価値に飲み込まれそうになっている田中健に語気強く言う場面がある。それを聞いて私はショックを受けた。あまりにも直裁な表現だったからである。そして若き日の私が自分に言い聞かせていた言葉でもあったからだ。私はここからパクったのか?

 

人生ってもっと楽しいもんなんだよ。今のドラマでこんなセリフを聞くことは無いだろう。誰かに向かって言うこともないだろう。言われて、はい、そうですか、と素直に聞き入れる人もいないだろう。言ったところで山ほどの反論・反感が返ってきそうである。

 

価値観が多様化しているのだ。かつては自由とか青春とかの言葉が意味するところは皆共通感覚として持っていた。だからみんながこのセリフを聞いて心を揺さぶられたのだ。

少なくとも1980年代以降、人々の暮らしが豊かになり、各人が個人の趣味を追求できるようになった。その結果、価値の多様化が起こり、言葉の概念が人によって変わり、同じ言葉を使っても内容が伝わらなくなっていった。嗜好が多様化し、ひとつの曲が爆発的に売れるということも無くなっていった。

 

豊かさは価値の多様化を不可避にもたらす。価値の多様化は多くの場合、共通基盤を不可避的に掘り崩す。話が通じず、何度か嫌な目に合えば、結果として人とつながれる自信を失う。人とかかわる意欲を失っていく。故に社会に無関心になる。

 

この動画を見ていると、皆が同じ価値観を共有するということが、一面うざくもあるが、他方でとんでもない安心感を与えるのだ、と言うことを教えられる。

日本はもう、二度とこういう時代を迎えることは無いだろう。