imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

エッセイ レビュー 映画評 後味の悪い映画「 FAKE」(2016年)森達也監督 2023年10月

後味の悪い映画と言うものがある。理由が何かよく分からないが観終わったあとに嫌な気分にさせる映画である。

 

 記憶する範囲で私が最も気分が悪くなった映画は「FAKE」(2016年)森達也監督である。

凡そのあらすじは

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/FAKE_(2016%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB)

 

佐村河内氏のゴーストライター問題が発覚したのは2014年だ。私は2014年から19年まで外国にいたので、この騒動をリアルタイムで知らない。また「FAKE」を観るにあたっても特に下調べをしなかった。なんか話題になってた人だなぁ、という認識であった。

 

以下は直接証拠なしの間接証拠だけで判断した感想である。つまり私は氏がゴーストライターを使ったと判断した。

 

観終わった時にまず思ったことは、人間ってここまで誠実に嘘をつけるものなのか、であった。

これだけ間接的な証拠を突きつけられれば普通なら、もう参りました、しかないように思う。

うそを認めると賠償金、印税などの金銭問題が生じるので、是が非でも認められなかったのかもしれない。今後の生活を考えると、どうしても認められない一線があったのだと思う。今だから分かることだが、2019年に所有?し住んでいたマンションを引き払っている。

 

誠実な人がどうしても嘘をつかなければならない時に見せるアンビバレントな雰囲気。自分でも言ってることが破綻しているのが分かっているのに、それを続けなければならない、その苦しさ、が私に後味の悪さを感じさせたのだと思う。

 

人は自分を守るため、大切な人を守るために、どうしても嘘をつかなければならないことがあると思う。周りの人すべてが嘘だということを知っていても、言い通さなければならないことがあると思う。

「FAKE」はそういう状況をドキュメンタリーでリアルに見せてくれたのだ。

 

数年前にこの映画を観た時に感じた後味の悪さがずっと気になっていた。今回このブログに書くことで考える機会ができ、かなりその輪郭がはっきりしてきたと思う。