以下のような人たちとはすべてとは思わないが、私が感じるオートキャンパーについて書いてみたい。
私は山でテント泊をするのが好きで、以前はよく山梨方面に出かけていた。そこでオートキャンパーを見たり、動画を観たり、話を聞いて思うことがある。それは、街の生活を自然の中に持ってきただけだなぁ、と言うことである。
”快適に楽しく過ごしました。そういえば周りの風景がいつもと違ってたなぁ”
せっかくいつもと違う場所、未知の世界、日常世界の外側に来たのに、何も体験せずに帰ってゆくのである。
自然は未知の宝庫である。植物、昆虫、コケ、キノコの生活。彼らどうしの関係である生態系。地形の成り立ちとその成長過程。そこに転がっている石や岩石の生成過程。
そしてそのような自然に触れた時の自分の意識の変化。
もちろん1人で楽しく騒ぐのもいいし、みんなで楽しく騒ぐのもいい。が、時には世界の外側を経験するのも悪くないと思う。
私の感覚で言うと、自然は非常に緊密にバランスを取って存在している。
そこにツバキが生えているのは半分は偶然であるが、半分は必然である。そこにはアカマツやイロハモミジは生えれなかったのである。少し植物の種類が分かってくると、そう言うことに興味が湧いてくる。
木の種類が違えば、生えるキノコも違ってくる。実際にそのことを肌で知ると、キノコと植物の関係に興味が湧いてくるだろう。
自然の中で安らかな気持ちでいると、時に変性意識が訪れて、超常体験をすることもあるだろう。
小さな生き物たちの暮らしが見えてくるようになると、自分もその中の一員である実感を持つことがあるだろう。街に帰っても、小さな生き物たちの存在に気付くことになるだろう。そうなれば、もう今までの世界に住むことは出来ないと思う。街にいても、小さなものたちの息吹きが聞こえるようになるからである。
世界の外側を経験するとは、新しい価値を取り入れるということである。世界が広がるということである。別の言葉で言えば、成長するということだ。
世界の外側を経験することは少し勇気がいるが、実際に踏み越えれば楽しいことなのである。オートキャンプはそのきっかけになると思う。
実にもったいない、と思うのである。