imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

エッセイ ポニーテール または生え際のグラデーション 2022年9月

私は長髪を後ろでひとくくりにしている。いわゆるポニーテールである。髪を伸ばし始めたのは15年ほど前のことか。当たり前だが伸ばし始めたころは髪の毛の長さが足りなくて後ろでなかなか一つにくくれなかった。くくれない髪の毛はハラハラと顔にまとわりついて、鬱陶しかったのである。生え際の辺りはそれまで短く刈っていたので伸びるのに特に時間が掛かった。

しかしいつかは伸びてくくれるようになるだろうと思っていた。

 

ところがである。いつまで経っても生え際あたりの髪の毛が、顔にまとわり続けたのである。特に額のあたりともみあげのあたりの生え際の髪の毛が髪留めに届かずくくれなかった。

 

不思議に思って生え際をよく見ると、額の無毛の部分から始まって、頭頂に進むにつれて、産毛、2∼3センチの毛、5~6センチの毛、と僅か5ミリほどの幅の中で無毛から30センチ以上の髪の毛がグラデーションに納まっていたのである。

 

髪の毛を伸ばす前は、額の無毛部分からいきなり長い髪の毛が生えるものだと思っていた。つまりゼロか百の世界である。オールオアナッシング。

 

しかし実際は、当たり前のことながら、ゼロと百の間にグラデーションがあったのである。だからポニーテールをしている人はその短い髪の毛を処理するために、カチューシャを使ったり、グリスを塗っていることに思い至った。

なるほどそうだったのか、と。あれはオシャレなんかではなく、やむなしの作業だったのである。

 

全く自然界には、ゼロか百の世界が少ない。人の社会と同じだということを思い知った。