保山氏が「奈良、時の雫」というシリーズ映像をユーチューブにアップしている。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLS5Pw7C3Z4tCwQ10as2VF9Q-6Du_hWEpF
トップカメラマンだった保山氏は2013年51歳の時に仕事中に倒れる。
直腸がん、余命2ヶ月の宣告。
放射線治療、そして腸の摘出をしたのち、3年後生存率は30パーセントといわれる。その後抗がん剤治療を続ける。
そのつらい生活の中で心から思ったことが、「死ぬ前に、自分が一番撮りたい場所を撮影してから死にたい」だった。
そこで選んだのが奈良の自然だった。
ここからは私の想像である。
映像は非常にきれいである。上の動画を見てもらえば、明らかだ。
ただこの動画に私はそれ以上のものを感じる。
死を意識した保山氏は奈良の自然の美しさに感動しているだけではない。その感動の向こうに、その美しさを感じて感動できる自分、そして生きてることのすばらしさに感動しているのだと思う。
この美しい瞬間が氏のすべてを満たしている。他に何も要らない。今この瞬間が満たされて、世界が輝いて氏を包み込んでいるのである。私の言葉で言えば、今ここパラダイス、だ。
この映像を見ていると、私はそれを感じる。氏の満たされたこの瞬間の幸せを感じるのである。
貴重な映像だと思う。
保山氏についての簡単な記事があった。
https://tevye53.com/204-about-koichi-hozan/