勢古浩爾氏の本を読んだ。本当に久しぶりだ。もう10年近く読んでないような気がする。初めて読んだのは確か2000年頃に出版された、「自分様と馬の骨」という本だった。新聞の書評で見つけたと思う。承認問題について書かれていた。それからの数年間、出版されたすべての本を読んだと思う。
氏は私より一回り以上も年が大きい。ある本に、振り返ってみれば、人生はそんなに楽しいところではなかった、と書かれているのを見て、私はショックを受けた。こんなに覚悟が決まっているような人でも、人生は楽しくなかったのだ、と知ってひどく悲しかった。
今回読んだ本は「自分がおじいさんになるということ」だ。去年の暮れに出版された。今年でもう73歳になるはずである。
その本に、いいことが書いてあった。何曲かのポップミュージックが紹介されていたのだけど、試しにユーチューブで聴いて、その中の2曲が良い曲だったのだ。もちろん私にとって、という意味である。
中島みゆきの二艘の舟 中島みゆき/二隻の舟/夜会/covered by BEBE
河合奈保子のハーフムーンセレナーデ 河合奈保子 ハーフムーン・セレナーデ "月半小夜曲" (Half Moon Serenade)
どちらもリフレインが効いていて、それが時の経過を思わせ、生きることの寂しさを感じさせる。
10代後半に聴いて、人生の懐メロになっていないのに、それを聴いてるような気分にさせる。
60歳にもなって、お気に入りの曲が見つかるとは、しあわせなことだ。