ときどき完璧主義傾向を持った人に出会うが、どういう機序が働いてそのような傾向が出るのだろう。
完璧を期す人は具体的には
1 準備を完璧にしておきたい。
準備を完璧にしておかないと、不安なのである。足りないところが少しでもあると気になって仕方がないのである。うまくいかないような気がするのである。
2 理想の状態にしておきたい。
思ったような状態にしておかないと、落ち着かないのである。思ったような室内装飾の配置、思ったような人間関係。別の言葉で言えば、強迫神経症的なのである。
1・2を合わせると、外界への操作欲求が強すぎるのだ。
ではなぜ操作欲求が強いのかと言うと、自分より世界の存在が大きすぎるからである。世界に自分が圧迫されて、脅かされているのである。それで、何とか世界を操作して安心を得ようとしているのである。
逆に言えば、自分の存在が小さすぎるのだ。よくある言葉で言えば、自己肯定感が低すぎるのだと思う。
以上、完璧主義は低い自己肯定感に源を発し、それが外界を過剰に大きく感じさせて、脅かされ、それを払拭して安心感を得るために、強い操作欲求を持ってしまう。その一つの表現形態が完璧主義だと思う。