1
他者、物はこちらの心的変化に応じて刻々と変化している。
もし私が死ぬと他者、物はどうなるのか。心的変化、フィードバックが無くなるので、私は認識できなくなる。つまり無くなるしかないだろう。そして私が存在すれば他者、物も存在する。
つまり他者も物も私の心的状態に応じて存在する事物に過ぎない。言い替えれば、この世にひとりぼっち、と言うことだと思う。そしてこのことがぬぐってもぬぐいきれない根源的寂しさを生み出す。
2
ひとりぼっちのこの世界で、他者はどういう存在なのだろう。他者と相対するとき、無感情ではいられない。相対する他者とのフィードバックの応酬で、物に対するのと比較にならないほど強く感情は喚起され、臨場感は高まる。
これがこの世における他者の役割なのだと思う。この世に感情を喚起させ、世界を生き生きさせる。物しかなければ無味無乾燥だったろう私の世界に、喜怒哀楽の感情を添付する。生きてる実感を生じさせる。
あなたが誰かと接して、楽しかったり、嬉しかったり、腹が立ったり、緊張したとしたら、それはあなたの人生を生き生きさせるためにその誰かがそこにいたのだ。