集団で暮らすために手に入れた承認欲求だが、今となってはその仲間、共同体は承認欲求を満たすための手段になってしまった。 つまり承認欲求を 満たすには仲間、共同体が必要になったということだ 。
ところが今この仲間、共同体が解体していってる。
例えば地域共同体はその構成員の移動が多く、同じアパートに住んでいても知らない人がいて、 挨拶もしないということが珍しくない 。
例えば仕事仲間も 仕事内容がタイトになってきたのでおしゃべりする余裕もなく 、ただ働いて帰るだけ、と言うことが多い。 特に非正規雇用にその傾向が強い。
これらは企業が、 同業他社に負けないようにしのぎを削って競争しているところから生じている 。労働者をより有効に使わなければ商品の値段が上がってしまい他社に負けてしまうのだ 。この20年、それが激しくなっているのはグローバル化が進んで 国内だけでなく世界と競争しなければならなくなったからだ。 そしてこのグローバル化を進める原動力は 消費者のより安い商品、生活者のより便利な生活を求めるところから来ている 。つまり グローバル化は止められない。 できるとすればそのスピードを遅くさせることだけだ。
このように仲間、共同体が解体していき、承認欲求が満たされなくなっていくと、 無価値な自分を感じ、こもりがちになったり、逆に承認しない周囲に憤りを感じたりする。 社会は刺々しくなるし不安定になる。