当たり前だけれど、ホームレスは生得的なものではなく、一時的な状態である。 生まれてこの方、ずっとホームレスだという社会的階層は存在しない。
ところで生得的なものに対する公的な場での差別・存在否定は、例えば SNS ではアカウント停止が十分に考えられるほど厳重に対応されるが、 それは、本人の意思によって変えることができないからだ。性別、民族、障害の有無など。
では一時的状態に対しての差別・存在否定は許されるのか、もしくは、より基準が緩くなっても良いのか。
全く順序が逆だと思う。 一時的な状態を理由にして、その存在を否定することはそもそも変なのだ。
例えば五十歳までずっと働いてきた人が、コロナで仕事を無くし、ホームレスになって初めて公園で寝たとき、ホームレスであるというだけでその人の存在を否定するのは明らかにおかしいだろう。
生得的な属性を理由にした存在否定をひっくり返すには、同じ人間じゃないか、あたりを持ち出すしかないが、一時的状態を理由にした存在否定をひっくり返すには、その状態以前は私たちと“同じ"だった、さらにはなぜその状態に陥ったかを考えることによって、修正を促すことができる。ある意味、非常に簡単なことだと思う。簡単つまり明白で、一時的状態の存在否定の誤りの証明は生得的より明らかだと思う。
一時的状態の存在否定は、お話にもならないと思う。