ギリシャのロードス島に行った時 、宮殿の前などで汚れた身なりをした子供たちが楽器を演奏して物乞いしている場面に 出くわした。。 宿のオーナーに聞くと 、ギリシャ国籍のジプシーだそうで 、ハイシーズンになると他の所からもっと集まってくるとのことであった。 散歩がてら彼らの様子をうかがっていると 、彼らは 女数人と子供が10人ほどの集団で、何カ所かでアコーディオンなどの楽器を演奏して物乞いをしていた。成人男性はいないようで、城塞の北側の公園の中に住んでいるようだった。
ジプシーに対する批判は色々聞いたことがある 。お金を渡しても飲み食いに使ってしまい、生活の向上 のためには使わない 、遊んで暮らしている、など。
種の多様性の大切さを主張する意見の中には 進化上有利であることを例に挙げることがある 。多様性があったから環境激変の時、 マイノリティがその環境に適応して 種が存続してきた。 だからマイノリティは大切である、 という考え方だ 。
私はその考え方に違和感を覚える。 そこにはマイノリティーの生の質を 問題にする動機が入ってこない。
身も蓋もなく言ってしまえば 、自分たちの存続のためにはマイノリティの遺伝子が必要なこともあるだろうから遺伝子を保存しておく、 ということだと思う。
人類が存続、繁栄する上でマイノリティが大切である 、だからマイノリティを大切にするのではなく、 その存在自体が 大切だから 大切にするという別の理由があると思う。
