政敵を粛清などして権力を奪取・維持してきた権力者は、どんな気持ちで日々を過ごしているのか。
当然想像するのは、自分が権力の座を降りたときに起こることだろう。
1 報復が怖い。
当然である。今まで自分がしてきたことを振り返れば、自分も同じ目に合うことを覚悟しなければならない。
だから権力の座から降りたくない。
イラクのサダムフセインは体制崩壊後、新体制によって処刑された。リビアのカダフィ大佐は隠れているところを民衆に見つかって、殴り殺された。
しかしより戦力の座に執着させるのは以下の理由によると思う。
2 大切な人たちへの報復が怖い。
自分がしてきたことを考えれば、自分が殺されても仕方がない、また自分の理想の国づくりが国民に受け入れられなかった、と思えば、諦めもつくかもしれないが、自分の大切な人たち、愛する妻や子供たち、孫たちも自分と同じ目に合うかもしれない、という思いは、どうしても受け入れられないと思う。
このことが権力者を、周囲から見れば異常なほどに権力に固執させる理由だと思う。
このことは結果として、独裁者による被害を拡大してしまう原因になっている。
だとすれば、反体制派は、忸怩たる想いを抑えて、権力者以外の類縁には一切の報復をしないことを表明して運動を進めるのが良いと思う。それが結果として被害を抑えることになる。