科学の進展の歴史を振り返れば明らかだが、提出された仮説が現代でも生き残っているのはごくわずかだ。 そのときどきの提出者は最大限論理的に慎重に思考し提出した。 にもかかわらずその多くが否定されてきたのだ。
この視点から見ると、仮説の役割は正しさと言うよりも、その時々の知識体系を揺さぶることにあると私は思う。
慎重に思考して論を進めることはもちろんだが、大切なことは、ある仮説を提出することによって反証する学説を活性化させたり、同意しながらも乗り越えようとする学説を生み出して、知識体系を活性化させることだと思う。それは科学をより進展させることに繋がると思う。