imakokoparadise’s diary

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

包丁の押切と引き切り 日本とヨーロッパの包丁の使い方の違い

以前テレビを見ていたら、イスラエルの家庭の台所を紹介していて、そこに住む主婦が笑顔で、大理石で出来たまな板、兼作業台を自慢げに紹介していた。まな板が石?それではすぐに刃が欠けてしまうではないか。

また別の番組で、フランスの一流シェフが野菜を調理している場面を見たが、おもちゃのような小さなナイフで野菜をカットしていた。30年前の日本の板場なら、板さんに張り倒されていただろう。

その後いろいろ観察して分かったことは、日本とヨーロッパでは包丁の使い方が違うことだった。

中国や日本では、包丁は押し切り、ヨーロッパでは引き切りである。押し切りでは押した時、全面の包丁の刃をまな板に当てる。引き切りでは刃の先端だけをなま板に押し付けてその状態で引く。つまり引き切りは刃の先端しかまな板に押し付けないので、まな板の素材を問わないのだ。なので予想するに、切れ味が落ちにくいと思う。パン切ナイフをはじめとして、波刃の包丁をよく見かけるが、研ぐのが面倒な波刃が普及する理由も、あまり研ぐ必要のない引き切りにあると思う。

ではなぜ押し切りは引き切りに駆逐されなかったのか。押し切りにも長所があるからだ。

とんかつ屋に行くと、キャベツを綿のようにふわふわに切って出されることがよくある。試してみると分かるが、引き切りで非常に細かい繊切りを作るのはかなり難しい。押し切りならではの調理法だと思う。日本の食文化は、ヨーロッパのそれより、細かい繊切りを重視し、多用するのだと思う。

故にまな板の素材は石など考えられず、適度な柔らかさを持ったものに限定される。なお且つ、刃は毎回まな板に押し付けられるので、しばしば研がなければならない。

テレビで、アメリカの料理番組の紹介をしていた時、中国人が中国料理の作り方を説明していた。「包丁の先はまな板につけたまま、手前を上下させて、ニンニクをみじん切りするんですよ」と大切なコツを伝えるように話していたが、日本人には当たり前の使い方でも、引き切り文化の人たちにとっては、そんな使い方があったのか、程の目新しさだったのだと思う。