私は2度の帰国を含めて2014年から2019年まで外国旅行をした。
外国旅行は子供のころからの夢だった。私の子供のころは外国旅行はちょっと現実味のない話だった。旅行した人を誰一人知らなかったし、最も可能性が高そうなハワイ旅行では、飛行機のタラップを降りたら、首にレイを掛けられるという、子供にはちょっと現実離れした話しか伝わってなかった。
しかしテレビ番組の”クストー探検隊”や”野生の王国”は、胸躍らせて見ていたし、本当に行くつもりで見ていた。
学生のときに見たNHKの”シルクロード”にも深く感動し、必ず行ってやる、と思っていた。
今、ときどき旅行の写真を見るのだけれど、本当に幸せな時間を過ごしていたなぁ、と思う。夢のような時間だったと思う。
加藤登紀子が歌う"百万本のバラ”に、貧しい絵描きは孤独な日々を送った けれどバラの思い出は心に消えなかった という歌詞がある。若い頃この歌を聞いたときに、その後の人生をその思い出だけで送れるものか、と疑っていた。
しかし今ならそれが良く分かる。
クリントイーストウッド監督の”ミリオンダラーベイビー”も主題は同じだと思う。この瞬間に、人生のすべてを掛けれるか。
この映画では、全てを賭けた結果、失敗に終わったけれど、それでも後悔しないか、が問われていたと思う。
私の答えは明らかだ。